衣食足りて礼節を知る?

Soft-exでは、よく中国人のマナー問題が話題になります。
中国には「衣食足りて礼節を知る」ということわざがありますが、豊かになったはずの中国人がなぜマナーを守れないのかについて考えてみましょう。
「衣食足りて礼節を知る」は有名な中国のことわざですが、中国人は「衣食足りて」も「礼節は知らず」だと言われる場合が多いようです。

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「衣食足りて礼節を知る」とは?

中国の有名なことわざ「衣食足りて礼節を知る」は、正確には「管子」牧民の「倉廩(そうりん)実(み)ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱(えいじょく)を知る」となります。
つまり、人間は衣服や食糧などの生活に最低限必要なものが揃って初めて、礼節を守り秩序を保つ社会的な行動をとる余裕が持てるのだから、生活を豊かにすることが大切だという考え方です。

中国人は「衣食足りても礼節は知らず」?

中国のことわざでは豊かになれば人間は礼節を知るはずなのに、どうも現在の中国人にはこのことわざは当てはまらない場合が多いようです。
経済的にも発展し、海外の旅行先にも多くの中国人観光客の姿が見られるようになりましたが、実は中国国内は経済の格差が激しくその経済格差は縮まる様子がありません。
生活に精一杯の人たちはもちろん、経済的な面で急に豊かになった人たちも、どちらも社会的な行動をとれるだけの心の余裕は無いようです。
このことから経済的に豊かになったのに礼節を知らない中国人というレッテルを貼られてしまうのしょう。
その昔、中国は礼節の国と讃えられたはずなのに、マナーが守れないことで今では無礼の国というイメージがついてしまっています。

政治的な余裕

経済的な面での余裕のなさだけが、礼節知らずの要因ではありません。
中国国内には、多くの矛盾や理不尽が残っており、実は毎年数多くの暴動が起きているのです。
実際に年間数万件に及ぶ暴動が起きている国に住んでいながら豊かさや余裕を感じることは難しいのではないでしょうか。
言論の自由とは名ばかりで、うかつに政権批判などすれば冤罪逮捕などもあり得る状態です。
このような政府からの監視や管理がまかり通る中で、本当の意味で満たされた生活や充実した人生は困難でしょう。
礼節を知るためには満たされていることが条件だとすれば、実際に心から満たされているといった政治的、社会的な余裕がない以上、やはり礼節を知るに至ることがないのも無理がないと言えるかもしれません。

いろいろな国で中国人のマナーが問題視されています。
社会的なマナーは経済的にも政治的・社会的にも豊かであって初めて生まれるものです。
中国人の中には経済的に豊かになった人もいますが、それは一部の恵まれた人たちですし、政治的に多くの矛盾や不安を抱え心に余裕がない人々にマナーを知るゆとりは生まれにくいでしょう。